【fripSide】infinite synthesis 2「Secret of my heart」レビュー
今回紹介するのは、fripSideの3rdアルバム「infinite synthesis 2」から「Secret of my heart」だ。
なんといっても歌詞が辛すぎる。
歌詞を書いているのはボーカルの南條愛乃で、彼女の恋愛模様がつい心配になってしまうような、自己犠牲に満ちた悲恋を描いている。
Secret of my heart fripSide - 歌詞タイム
確かラジオ「南條愛乃のジョルメディア」で実話ではないと言っていたが、なんともリアリティ溢れる歌詞である。
今でこそ人気声優の彼女だが、もとから容姿に優れているのではなかった。
デビュー当時と現在の宣材写真を見ると一目瞭然だ。
アイドル声優という言葉が表すように、今の時代は声での演技プラス容姿が優れていないと生き残れない。
ラブライブ等の顔出しの仕事の必要が出た結果、努力してどんどん綺麗になっていった。
お前ら充実した学生生活送ってきただろ的なキラキラした新人女性声優達なんかよりも、学生時代は楽しいことあんまりなかったと語り、インドア系なのに、おしゃれでファッションサイトのスナップ写真を撮られてしまうような彼女のほうがよっぽど魅力的に見える。
そう、こんな歌詞が書けてしまうような、何かを抱え込んでいるのに綺麗になって華やかな業界で活躍しているギャップにどうしようもなく惹かれてしまうのかもしれない。
彼女は他にもしんどい歌詞を書いている。
それが、この曲も含めて僕の中で不幸二部作とよんでいる中の「I'm believing you」だ。
アルバムでは「I'm believing you」、「Secret of my heart」の順になっていて、確実に泣かせにきている。
ライブでもこの順で演奏されることが多いので、ぜひライブにも足を運んでこの切なさを体感してほしい。
fripSide第一期の頃から、八木沼悟志の真骨頂はバラードだと思っていて、彼のシンセサウンドとの相性は絶妙だ。
昔は彼が作詞も兼ねることが多かったのだが、最近南條が作詞にチャレンジするようになった。
その結果、男には書けない歌詞で今までのfripSideになかった、女の子目線を手に入れたのではないだろうか。
fripSideは美少女ゲームに曲を提供することも多いが、この曲は乙女ゲーのBADエンドで流れたら女の子ファンをもっと獲得できるのではないか。
この曲をテーマにしてゲーム一本作れると思う。
実らない恋の切なくも美しい歌詞と旋律を是非堪能して欲しい。
fripSide「Secret of my heart」
作詞:南條愛乃
作曲・編曲:八木沼悟志