南條愛乃セカンドフルアルバム「Nのハコ」感想を全曲レビュー
もくじです
- 南條愛乃というハコの中身はなんだろう?
- 01.きみからみたわたし
- 02.Oh my holiday!
- 03.NECOME
- 04.灰色ノ街へ告グ
- 05.ゼロイチキセキ
- 06.Gerbera
- 07.ヒカリノ海
- 08.idc
- 09.ツナグワタシ
- 10.ヒトビトヒトル
- 11.Dear..
- 12.0-未来-
- 13.今日もいい天気だよ
- それぞれのバージョン解説
- まとめ
南條愛乃というハコの中身はなんだろう?
前アルバムでは彼女自身が作詞が中心でした。
「東京 1/3650」*1(10年)ということで、その想いを伝える対象は、その10年間で出会ってきた仕事仲間だったり、ファンだったり、家族の愛犬だったりと彼女自身の強いメッセージが込められていました。
南條さんは多方面に活躍されています。
声優はもちろん、fripSideボーカル、ラブライブ!μ'sの絢瀬絵里役と、ファンとしての入り口が複数ありました。
声優から知った人はfripSideのボーカル担当の南條さんと同一人物と知らなかった人もいるくらいです。
そんないろんな時期にファンになってくれた人対しての、自己紹介、個人としての南條愛乃ってこういう人物なんだよというメッセージが前作のアルバムだったように思います。
対して今作は南條愛乃個人はあまり作詞を行っていません。
前回は私ってこういう人間だよって主張したもの、逆に自分ってどういう人間なのだろうという葛藤があったことを語っています。
「みんなが私のことをどう見てるのか、なんか気になっちゃった」っていうのが一番の理由なんですけど(笑)、自分自身のアイデンティティが揺れていたというか、「今の私って何者なんだろう?」って考えるところはずっとありましたから。でも自己評価とほかの人の私に対する評価ってたいてい違うじゃないですか。だったら南條愛乃という人にいろんな方向からの光を当ててみれば、私は何者なのか、よりはっきりとわかるのかな?って考えた感じですね。
南條愛乃「Nのハコ」インタビュー (1/4) - 音楽ナタリー Power Push
さきほども多方面の活躍と述べましたが、fripSideではなるべく自分出さずにボーカルに徹することを求められるし、ラブライブ!は超人気コンテンツに成長し、多方面からの期待や批判もあっただろうし、もちろんアニメでも様々なキャラを演じ分けるからこそ、本当の自分というものが揺らいでしまうのはわかる気がします。
今回のアルバムでは、東京での3650日のうちに出会ったクリエイターさんにあなたはこういう人間なんだと色をつけてもらうという意味で作詞を任せています。
中には愛が深すぎてもはやラブレターだろうという歌詞もありました。
モノクロなジャケットですが、各クリエイターさんたちは南條愛乃にどんな色をつけたのでしょう。
Nのハコを開けたらどんな楽曲たちが出てくるのでしょうか。
さっそく見ていきましょう。
※リリース記念ニコ生で各楽曲紹介をしていたので、一部書き起こし自分の文章を交えて再構成しております。(タイムシフトは残っていません)あといつもどうり日本語不自由です
01.きみからみたわたし
[作詞:南條愛乃 / 作曲・編曲:戸田章世]
きみというのはもちろん作詞をしてくれる作家さんのことで、タイトルから十分アルバムリードトラックの役割をはたしていますね。
この曲では各作家さんに対するメッセージが込められています。
東京に来てから出会い、そういった意味では前作のアルバムのアンサーソングとしても捉えられるかもしれません。
ミニアルバムのカタルモアから知ってる人にはお馴染みのゆったりめなヒーリング系の曲調で、個人的には素の南條さんに一番近い曲な気がします。
読者のみなさんからみた南條愛乃さんはどんな印象でしょうか?
僕は、自信はあまりなくて、目立つのもあまり好きではないのだけど、回りの期待に努力で答える声優シンガーに感じます。
それと素の南條さんは気の良い親戚のお姉ちゃん感ハンパないですね。
02.Oh my holiday!
[作詞:yozuca* / 作曲・編曲:黒須克彦]
作詞のyozuca*とは繋がりはダ・カーポだったのでしょうか。
事務所に月1、2回のペースで通いyozuca*さん作曲の楽曲で練習していたそうです。
そんなこんなで付き合いの長い彼女が書いたのは休日の南條さん。
どうしても某ネットゲームのエオ◯ゼアなイメージでインドアな印象しかないので初めは、えっ、休日に遊びに行くのといった感じでした。
が、結局寝坊して計画倒れになってしまいゴロゴロしてしまうのは結局南條さんっぽいです。
財布を忘れたような失敗を笑いにして忘れてしまうのが彼女の強さなのかもしれません。
麺ジョルノもあるよ!
03.NECOME
[作詞:rino / 作曲・編曲:lotta]
またダ・カーポつながりでしょうか。
作詞のrinoさんいわくネコ目線で書いた作詞になります。
南国リゾートのようなのんびりおひるねしたくなるような、ねこ時間がながれる曲ですね。
実際南條さんは「ムギ」ちゃん「ちび」ちゃんの2匹の猫を買っており、その子達目線で聴くといいのではないでしょうか。
仕事に行くのをお見送りしたり、仕事の資料散らばってるなぁと思ったり、落ちこんでたらそばに居てあげたりと、猫がいる生活って幸せだなと思います。
04.灰色ノ街へ告グ
[作詞・作曲:しほり / 編曲:長田直之]
いっきにアップテンポなナンバーに変わります。
作詞作曲のしほりさんは昔からから友達のシンガーソングライターの方です。
デビューアルバムのカタルモアでも書いていただいてますね。
灰色ノ街?全然今の南條さんの世界って灰色じゃないじゃんと思う人もいるかもしれません。
しかし、灰色ノ街とは養成所時代から、ラブライブ!で注目されるまでの時代のことかもしれません。
憧れて入った業界かもしれませんが、中には嫌な仕事があったりと、理想と現実に悩みながらも信念と夢を持ちつづけられたからこそ今があるのかもしれません。
05.ゼロイチキセキ
[作詞:南條愛乃 / 作曲・編曲:橋本由香利]
唯一の既存アニソンタイアップ曲ですね。
順調にアニソンタイアップを獲得してきた南條さんですが、メインキャストのアニメで歌うのは初めてです。
しかも作詞にも定評のある南條さんですが、これまたアニソンタイアップの作詞を担当するのも初となります。
その関係もあり作詞はかなりドキドキだったそうですが、一発OKだったそう。
今回は、ネットゲーマーの南條さんにとってかなり相性のいい作品であり、その関係もあり、キャスト&作詞&歌唱というトリプルコンボになったと推測できますね。
並のそこらの声優じゃネトゲの歌詞なんて書けません。
南條さんがプレイしているファイナルファンタジーXIVは、作中ネットゲームと同じMMORPGという種類なので、特に感情移入がしやすいのだと思います。
このようなピコピコしたPOPは初めてですが、多幸感が溢れてよい曲だと思います。
06.Gerbera
[作詞:はるかひとみ / 作曲・編曲:渡辺拓也]
作詞の「ひっとん」はるかひとみさんは、新宿の横断歩道でナンジョルノと名付けたエピソードでもおなじみですね。
タイトルのガーベラは南條さんが好きな花だそうです。
聴いているとガーベラ=南條さんですね。
はるかひとみさんにとって南條さんは咲き誇り明るくテラスガーベラのような存在なのかと感じました。
最後にはこれからもよろしくねというメッセージも読み取れました。
ラブレターですね。
07.ヒカリノ海
[作詞:ミルノ純 / 作曲・編曲:安瀬聖]
スローなヒーリングミュージック的曲調です。(語彙力が無くてすみません)
ミルノさんは元々声優、歌手、作詞家で、現在は結婚されてお子さんもいらっしゃいますし、第一線では活躍されてはいないのだと思います。
抽象的のようで、ところどころ昔を懐かしむフレーズがあります。
ヒカリノ海というタイトルは海のような包容力もあり、キラキラ輝く彼女、声優アーティストという大海に漕ぎだした南條さんのことをあらわしているのだと思いました。
08.idc
[作詞:KOTOKO / 作曲・編曲:黒須克彦]
'I dont care' の略語で「どうでもいい」や「気にしない」のネットスラングだそうです。
南條さんのへこたれないメンタルの強さを表しているのですが、特筆すべきはその歌詞。
南條さん自信がよく言ってますが、かわいくみられなくてもいいとか男にモテようとは思わないなどサバサバした一面があります。
女の子女の子してなくて、意外と本音をズバっと言うそんな隠れた本性が歌詞になっています。
これだけ聞くと攻撃的な歌詞になってしまいそうですが、そこは名だたる乙女ソングを手がけてきたKOTOKOさんの手にかかり、小悪魔キラキラポップチューンになってしまいました。
トゲがあるし、サバサバしてて、女の子っぽいのは苦手なんだよと。
君たちが思い描いているゆるふわな南ちゃんなんていないんだぞ☆的なKOTOKOさんのメッセージを感じました。
でもそのギャップで女の子女の子してる最高に女子っぽい曲です。
作曲の僕の観測範囲の中で黒須克彦さんはロック系の楽曲のイメージが強いのですが、4つ打ちキラキラチューンもいけるのですね、ますますファンになりました。
個人的には一番ぶっ刺さりました。
南條さんのと知らない人でも全力でブチ上がれます。
アニクラで流れたら逝きます。
09.ツナグワタシ
[作詞:南條愛乃 / 作曲・編曲:黒須克彦]
本曲は南條さん本人が作詞です。
しかしアルバムのコンセプト的には合っていないわけではありません。
過去の自分だったらどんな色を付けるのか、そして現在の自分だったら未来の自分へどんな色を付けるのかがテーマになっているようです。
このアルバムで作詞家のみなさんは南條さんは強いと作詞していましたが、本当に実感できます。
意味が理解できなくてもとにかく進む、進まないと未来がなかったから。
ボロボロになりながら悲劇に浸るという誘惑にも負けない強さを感じました。
だから這い上がれた。
人気声優というポジションを確立した現在、もちろん仕事が立て込んでいて表面には出さなくてももがき苦しんでいるのかもしれません。
だけどどこまで続くのかわからない道をひたすら進んで、ふと気がついたときに、確実に成長している。
そんな未来への歌詞に感じました。
それにしても黒須克彦のロック曲の安定感は抜群ですね。
このコンビでゼロイチキセキのカップリング曲もあり、そちらも抜群のできなのでぜひ。アルバム収録されていないのがもったいないぐらいです。
10.ヒトビトヒトル
[作詞:畑亜貴 / 作曲・編曲:安瀬聖]
民族音楽のようなエキゾチックな曲調です。(適切じゃないかもしれません)
畑亜貴は概念とか色々ネタになっている先生ですが、ほんとラブライブとは同一人物には思えません。
どちらかと言うと、畑亜貴本人名義や、Q-MHzが南條さんに提供曲寄りな気がします。
なかなか難解な曲です。
詩的なラブレターですね。落としに来てます。これ書ける畑先生イケメンだなぁ・・・。
11.Dear..
[作詞:飯田里穂 / 作曲・編曲:増谷賢]
作詞者はラブライブ!のμ'sメンバー星空凛役としてもおなじみのりっぴーこと飯田里穂さん。
メンバー初対面ぎこちないエピソードは有名ですね。
μ'sは部活のようで青春時代を共に過ごしたのだと思います。
もうお互い違う道を進み始めたけど、今だから綴れる想いに胸が熱くなります。
実はりっぴーのファーストシングルに作詞を提供しているので、交換手紙みたいですね。
最年少のりっぴーと最年長のナンジョルノとの交流というのもまたいいです。
タイトルのディアーの後には普通は三点リーダーを使うのですが、そこが2つの点になっているのは、南條愛乃と飯田里穂という意味だそうです。
てかこれでラブレター何枚目でしょうかw
12.0-未来-
[作詞:川田まみ / 作曲・編曲:増谷賢]
まずタイトルから。
未来はいつも0からはじまっていくし、その0を徐々に増やしていくと10、100と未来へ続いてゆく。
川田まみさんは現役を引退したわけですが、ジェネオンのレーベルメイトとして、戦友としてのプレゼント。
バトンを渡された南條さんも僕達も、もちろんまみさんも未来へ進んでいくわけです。
13.今日もいい天気だよ
[作詞:南條愛乃 / 作曲・編曲:井内舞子]
ぜんぜん更新してないブログ名としておなじみの曲名ですね。
実は今までブログ名の由来を明かしていませんでした。
ただ晴れの日のことをいい天気といってるわけではありません。
悪い天気でも仲間やファンと楽しく共有することができたら、それはいい天気になるんじゃないかという意味で付けられたそうです。
その気持ちをいまでも忘れてないよというメッセージがこめられています。
アルバムを締めくくる曲としてピッタリに思いました。
安定の井内舞子さんとのコンビですし。
みんなが隣にいてくれたらきっといい天気だよ。
それぞれのバージョン解説
通常盤
こちらはもちろん楽曲のみ収録となっています。
初回限定盤
まず、特典のカバーCDが収録されています。
全力少年(スキマスイッチ)
Time goes by(Every Little Thing)
ラブソング(サンボマスター)
ガーネット(奥華子)
Stay by my side(倉木麻衣)
基本的に悲しめなバラードがメインとなっていて、これらの曲が南條愛乃の作詞の礎になったのかなと個人的には思っております。
ラジオでも悲しい曲ばっかり聴いていたと言っていた記憶があります。
ガーネットが収録されて喜んでいる人はかなり多いのではないでしょうか。
配信もされないので、初回限定盤のみとなっています。
CD不況時代ですからこういう商法は仕方ないとは思いますが・・・。
そしてそれぞれDVD、BDにはLIVE映像と南條一間を収録
Yoshino Nanjo 1st LIVE「TOKYO 1/3650 ミンナとつながる365日×???」(約126分)
セットリスト
01.believe in myself
02.黄昏のスタアライト
03.Precious time
04.7月25日
05.そらほしひとつ
06.あなたの愛した世界
07.Dear × Dear
08.君が笑む夕暮れ
09.優しくつもる言葉の花
10.Recording.
11.だいすき
12.きみを探しに
encore
13.飛ぶサカナ
14.カタルモア
15.リトル・メモリー
16.光
double encore
17.だから、ありがとう
18.+1 day
リスアニ! TV「南條一間 〜じじいとわたしの60日〜」(全9回)(約46分)
特にライブに関しては箱が小さくチケット取れた方が少なかったようで、貴重な映像になってますね。
「東京 1/3650」のライブ扱いになってますが、カタルモアの楽曲をアンコールにもってきてくれたのうれしかったです。
ライブDVDなどを単体で販売することはないので、前回のアルバム初回盤はプレミア価格になってることから、今回も貴重な初回盤になりそうですね。
リスアニTVについてもじじい(鷲崎健)との掛け合いが最高です。
初回限定BD盤
初回限定DVD盤
まとめ
各種ライブやfripSideのアルバム制作も決まり多忙な毎日を送る中、このようなクオリティの高いアルバムを聴けて満足しています。
にしても作詞家ハーレムでモテモテですねうらやましいですw
ここまで多くの作家さんに提供していただけるのは南條さんのお人柄あってのことだと感じました。
fripSideもソロも次期待して待ってますよ!
ラブライブ!関係の記事書いてます。
*1:うるう年は許してね(本人談)